2025SS Ordinaryをふりかえって
- fuhaatelierofficia
- 2025年7月21日
- 読了時間: 2分
更新日:2025年8月1日


仕事を終え、川沿いを自転車で帰る。手癖のように「日常」をカメラロールに仕舞った。特に見かえすこともないのに。日が沈んでまだ少し明るい空を見ながら、川沿いに身を傾ける時間を過ごした。時間をゆっくり溶かすような感覚が唯一の癒しだった。


自身を取り巻く環境の変化から、日常的に感じていた美しさや刺激に対して鈍くなっていた。
何か目詰まりしている、そんな感覚だった。
川沿いに身を傾ける。
夏に向かう前の川辺には凛とした空気が漂っていた。
鼻から通る空気の温度を感じ、風に揺れる緑を香りで感じ、背中で草花を感じた。
少し視野が広がった日があった。
日常的に目にしていたもの、毎日通る道にあるものから美しいと感じるものを拾い集めた。
幼い頃、金色の折り紙をお菓子の空箱に貼り付けて作った宝箱に道端の何気ない小石を大切にコレクションしていた、あの時の気持ちと同じだった。

作業場に帰ると、少し前になんとなくスルスル作れた服が数点、なんとなく進まないトワルと、物足りなさがあった。


SSの企画中は毎日のように、日が沈んでから暗くなるまでの時間を川辺で過ごしていた。
ある日、宝箱の中と作りたいものの点が繋がった。最近は縁の無かった表現方法だったが、出来る気がした。




一つの服にキャラクターを持たせることを心がけている。「人柄」のように「衣柄」がある。様々なディテールの集合であるから、一つを壊すことでバランスを取ろうとして、自分が思っても見ない形に着地する感覚を楽しんだ。いつも以上に。

優しさを感じられる作品集のようにしたいと思っていた。川辺で感じた優しさをそのまま表現して。
僕が拾った普通、それらを美しく感じてもらえるように素材選び、加工方法、パターンからシルエットまで全てにこだわった。今までよりは肩の力を抜いて表現できたと思う。
また環境が変化し25SSを振り返った時に、少し肩の力を抜いて、僕が感じた美しい「普通」に救われる時があるんじゃないかと思う。小さい頃と変わらず宝箱の中にそっとしまっておきたい。また行き詰まった時、きっと助けになるから。








